毎年、新年になると年賀状を送りますが、ではその意味は何なのでしょうか。現代では当たり前の習わしとされている年賀状。中にはメールで済ませる人も出てきました。ではいったいいつどのような理由ではじまったのでしょうか。見ていくことにします。
年賀状の歴史と役割
年賀状のはじまりは、平安時代や奈良時代だと言われています。当時から新年になるとお世話になっている方への年始回りが行われていました。しかしすべての方のところへ廻るのには厳しかったため、変わって登場したのが年賀状でした。
当時は交通や通信手段が整っていなかったため、年賀状を送ることは年始回りに匹敵するほど特別なものだったと言えます。戦国時代に入ってからは私的サービスではあるものの飛脚増え、スムーズに手紙でのやりとりができるようになりました。
もちろん年賀状のやりとも行われ、ついに明治維新後には現在の郵便事業が開始。郵便はもちろん、年賀状のやりとりも庶民の間では定着しています。年賀状が本来持っている意味は昔も今も変わりません。親しい人やお世話になっている方への近況報告や日頃の感謝やお礼をするものとして浸透しています。
形を変えていく年賀状。送る意味を忘れないで
現在では印刷技術が発達し、業者で年賀状を作成してくれるところが多くなりました。またパソコンが普及し、多くの方がコンピュータで一度に多くの年賀状を作成するのが一般的に。短時間でスピーディに作れるので、贈る側としてはとても魅力的なサービスだと言えるでしょう。
しかし受け取る側に伝えたいのは日頃のお礼や感謝です。機械的に量産された年賀状では感謝の気持ちは伝わりにくいでしょう。相手も味気なさを感じてしまうかもしれません。もちろん便利なサービスやツールを使うのは悪いことではありませんが、本来の意味がなくなってしまいます。
もしそのような便利なサービスを利用するのにも、年賀状には個々に宛てた手書きの文章を一文だけでも添えることが大切です。たとえ短文でも気持ちをこめて書いたのかどうかは伝わるもの。せっかく贈るのですから感謝が届くようにしたいですね。
現代ではメールのみの年賀状で済ませる人も増えています。若い世代の間で送り合うぶんには悪くないかもしれませんが、年賀状を送ってきた世代では味気ないものがありますね。やはり若い世代にも引き継いでいただきたい古くからの習わしですので、子供がいる家庭では書かせる習慣を持たせるといいかもしれません。年賀状の意味を知れば面倒を感じずに書けるのではないでしょうか。日本の古き良き伝統を守っていきたいですね。